スポンサーリンク

まずは知っておいた方がいい、トラックの業界用語辞典。今回はパレット編

運送業界の業界用語は、CB無線で使う用語が元になったもの、他の業界でも使われている言葉が流用・転用されているもの、他の業界と同じように略したり逆読みしたりなどしているものの概ね3種類があります。
その現場だけで使われている言葉も中にはあります。

由来は知らなくても困らないんですが、「そこの捨てパレ持ってこい!」とか言われて現場で分からないとアタフタするので、最低限覚えておいたほうがいい言葉をある程度まとめてみました。

もっとたくさんあるのですが、それはまた次の機会に。
今日は絶対知っておかないと困る基本のうち、パレットについての巻。


まずはパレットの呼び方。
パレットを見たことくらいは誰でもあるかと思いますが、荷物をまとめて扱うためのスノコみたいな物で、種類がいろいろありそれぞれに用途も呼び名も違います。

大きさによる言い方
1m四方のパレットを「イチイチ」のパレット、飲料用の縦長のパレットを「ビアパレ」(人によっては「ビールッパレ」と呼ぶ人も)、イチイチ以上の大きさと印刷物などに使うビアパレ以下の小さいパレットは規格外なので大雑把に「デカパレ」「チビパレ」と呼んだりします。
ちなみに大型にはイチイチのパレットが16枚、ビアパレは20枚積めます。

パレットの素材による言い方
パレットは木製とプラスチック製があり、木製のは「木パレ(きパレ)」。プラスチック製は「プラパレ」です。
※ここで豆知識。
一斗缶など、パレットの上で滑りやすい荷物はだいたい木パレに乗って出荷されますが、これがこのまま納品出来ない場合があります。
大きな食品問屋などで、ベルトコンベアやエレベーターを使ってパレットを管理している場合、木製のパレットだとベルコンに引っ掛かってしまうそうなのです。
で、現場でプラパレに手作業で積み替え・・・何のためにパレットで積んできたのやらと思うこともあります。
また、後述しますが別な理由で積み替え作業をやらされる現場もあります。

パレットの持ち主による言い方

レンタルパレット
パレットは、パレット積みのパレット降ろしで流通している場合多くがレンタルパレットを使っています。降ろし地でパレットを引き取り、積み地にパレットを持って帰るというのが地場の仕事以外では非効率的だからです。レンタルパレットでなくその倉庫で買ったパレットだと、回収(降ろした枚数だけ持ち帰り)を命じられることもあります。
レンタルパレットは、倉庫に余分なのが溜まってきたら別便チャーターで積み地やパレット管理代行会社へ運ばれます。パレットのみの状態を空パレ(からパレ)と言いますが、空パレ輸送は簡単だけど運賃が安いのでTAKAOのいた会社でも帰り荷にたまにやるくらいでした。
レンタルパレットの最大手はJPR(ジャパンレンタルパレット)で、ここのパレットは木パレは枠が赤く塗ってありプラパレは変なくすんだピンクなので、総じて「赤パレ」と呼ばれます。

JPR(ジャパンレンタルパレット)のいわゆる「赤パレ」 ©️TAKAO

JPR(ジャパンレンタルパレット)のいわゆる「赤パレ」
©️TAKAO

この「赤パレ」を使った場合、「パレ伝(パレでん。=パレット伝票)」と言って積荷の伝票の他にパレット回収用の伝票を出すことで回収が免除されます(パレ伝も不要の倉庫間移動もあります)。

チルド・冷凍品用プラパレ
冷蔵・冷凍品を扱う倉庫に行くと見かけるのが、表面が蜘蛛の巣みたいにスカスカで軽いプラパレです。
冷蔵倉庫はカウンタ式フォーク(※1)が使えないくらい荷捌き場が狭いことも多いため、このタイプは大抵どの面からでもフォークの爪が入るようになっていて、リーチ(※2)ハンドリフト(※3)でパレットを動かすことがかなり多いです。
スカスカなのは冷気を通すため。
その分脆いので、ハンドリフトで上げる時にはフレーム部分にリフトの車輪が噛んでないことに注意しないとすぐ「バキッ!」と、ぶっ壊れます・・・。やってもうても、裏っ返さなきゃバレないですけどね(笑)
※最近ではフォークリフトを「リフト」、その運転手を「リフトマン」と呼ぶようになりました。昔はフォーク、フォークマンって呼んでましたね。どっちでも通じますが、時代の流れを感じます。

(※1)カウンタ式フォークリフト。ディーゼル、電動、LPGなど動力仕様もいろいろなら大きさもいろいろ。空の海上コンテナバン用のデカいのはトンボと呼ばれる。
爪先によっては色々なものに対応できる。

カウンタ式フォークリフト

カウンタ式フォークリフト
画像引用元:PIXER WIKI
http://pixar.wikia.com/wiki/Guido
©️Disney / PIXAR

(※2)リーチフォークリフト。プラッター(固有商称)の代名詞で呼ばれることも多い。爪が前後しコンパクトな充電タイプなので倉庫内に向いている。飲料の2段重ねなどあまり重いものはその道のプロでなければ積まない方がいい。カウンタ式よりひっくり返りやすいので凸凹のある場所で使うと危険。

リーチ式フォークリフト

リーチ式フォークリフト
画像引用元:(株)トヨタ自動織機
https://www.toyota-shokki.co.jp/products/industrial_vehicles/toyota_lf/electric_forklift/

捨てパレ
レンタルパレットでも企業所有のパレットでもなく、スカスカの木製で(おそらく荷物の代金等にパレット代が含まれている)そのまま置いてきちゃっても何の問題もない使い捨てのパレットを「捨てパレ」と言います。
輸入のものなんかだと「スキッド」と言って下の板がなく(ひっくり返して使えない)本当にスノコにしか見えないものも使われています。
市場なんかの空パレ置き場に規格も様々で乱雑に積み上げてあるものは確実に捨てパレです。

実はこの捨てパレ、利用価値があるんですね〜。

本来バラ積みバラ降ろし(手積み手降ろし)で運ぶことになっている荷物でも、積み込み時に捨てパレを拾ってきてそこに荷物をセットすれば、降ろし先にフォークリフトがあれば降ろしだけでもラクになるからです。市場関係の仕事をしていてよくやる手段です。
そうでない普通の企業だったりすると、これやると「廃棄にお金かかるから持って帰って」と言われ結局バラ降ろしになる場合も多いです。

でも、日曜大工をする人にはいい資源になりますので、パンパンに積まないときにでもコソッと持って帰っちゃうのはアリですよ。市場サイドとしても廃棄にお金がかかって困ってるんですし。
今日びはセルフリノベーションをする人がわざわざ高値を出して中古のパレットを買うくらいですからね。


パレットの活用方法

こんな裏技も。
先に書いた、捨てパレの有効利用とレンタルパレットの利点だけ頂戴した裏技もあります。
定期便で毎日同じ倉庫に横持ち(※4)で行く場合で、通常はバラで積んで行ったり届け先でパレット積み替え作業が待ち構えている場合。

例えばその倉庫専用のパレットに積み替えなくちゃ検品してもらえないとか、食品問屋では多いパターン。赤パレでパレ伝までもらって持ってきたのに、そういうムチャぶりを言う倉庫もあります。
運転手歴が長い人なら知ってると思いますが「Xョーショク」さんとか「国X」さん、「日本Xクセス」さんみたいな食品問屋ですね。まぁ全部の支店がそうじゃないですけど・・・。
こういった倉庫に定期で入る場合、そこの倉庫のパレットをコッソリ拝借しておいて、積み込みどきに要領よくそっちのパレットに積んじゃうんです。
そうすれば降ろしは速攻で終わります。
まぁその後に食品問屋の場合シール貼れとか賞味期限書けとか付き合わせ検品とか奥まで持って行けとかいろいろあるのも時間がかかる要因ではありますが・・・(荷物の降ろし作業だけ終わったら、ホームから速やかにクルマを退けて次の人に降ろさせてあげましょう)

そもそも、食品問屋の納品に時間がかかって大行列になるのはこういった問屋側のワガママのせいなので、さっさと降ろしてしまった方が後の運転手にもありがたいことです。

フリーチャーターの場合は次にどこに飛ばされるか分からないのでパレット持って帰れないから仕方がないですね。
荷降ろし待ちで並んでる間に邪魔にならないようウイングを少しだけ開けて、賞味期限の札貼りが必要な現場ならやってしまう運転手さんも多いですね。
フリーチャーターで初見の場所だったら、周りの運転手さんの行動をよく見てるとか、いつも来てそうな人に聞いてみるとかもテクニックのうちです。

(※4)横持ちとは倉庫間の移動。配達と何が違うの?と言われると説明が難しいけど、エンドユーザー(最終的にそれを使う人、または加工する人)の倉庫に持って行くのではなくストック場所からストック場所への移動のこと。

パレットでの荷扱い
さて、そのパレットを動かすのにはいろんな方法があります。
ウイング車で横から積んで、降ろしも横から出来る場合は一番簡単です。
倉庫のフォークマン(フォークリフトの運転手)が取ってくれる場合もあれば、自主荷役と言って自分でフォークリフトを借りて行う場合もあります。4t以上の運転手がフォークリフト乗れないと使い物にならないと言われるのはこのため。
でも安心してください。やる気があれば会社でフォークリフトの資格者講習に行かせてくれる会社は多いです(ちなみによく『フォークの免許』という言い方をしますが、厳密には講習を受けて有資格者になるということであって、自動車免許のように更新は必要ありません)。

慣れるまで運転は難しいけど、毎日使っていれば慣れますので最初はフォークの爪で荷物をブッ刺してしまったり自分の愛車を傷つけたりすることのないよう慎重にゆっくり落ち着いて

よくやるのがマストを上げ過ぎて自分のウイングにぶつかるとか・・・おっと、フォークの運転は別記事で書きましょう。今回はパレットのお話でしたもんね。

フォークリフト以外でパレットを動かすには、ハンドリフトという道具を使うのが一般的です。

ハンドリフト

ハンドリフト
画像引用元:Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/ハンドリフト

ただこれ、短いものだと裏表両面しっかり板張りになっている木の赤パレなどには使えません。もちろん赤パレを扱う現場ではバラ降ろしでない限りフォークか大きいハンドリフトが用意されていますのでそう心配することはないです。
問題はケツ積みケツ降ろしの場合。
路線屋さんなどではウイングでない箱車に平気でホームからフォークリフトで荷台に入っていってしまいますが、自分のトラックにアルミのネタ(ざっくり言うとトラックの構造上フレームと箱の間で箱を固定する部品のこと)が使われている場合は重たいフォークリフトで乗り入れるとクルマが傷みます。
こういう時ハンドリフトが入らないパレットで押し込んで積んで来た場合は、パレットプーラーや先が輪になっているベルトを使って引っ張り出します。

チャーターで、そこまでの用意がない場合はまず現場に借りられるものがないか聞いてみて、無ければ最悪何本か積んでいるうちの一番ボロいラッシングベルトやロープを使ってフォークとパレットを繋げることもできる場合があります。

大概の場合、降ろし先の状況が特殊な場合それに応じた積み方を積み地で教えてくれるもので、もし不安を感じたら積み込む前に必ず確認することです。
積み地では横から積み、降ろし先ではケツ降ろし・・・という場合は、大概4方向から爪の入るパレットを使ってくれているはずです。

また、ケツからバラ積み・バラ降ろしの場合、作業が進むにつれ空のパレットが出ますので、積み上げておくことが必要になって来ます。1枚ごとにフォークマンが取りに来てくれる現場ならいいですが、そうでないことが多いので・・・非力な人が赤パレなど重いパレットを高く積み上げるには、お腹で支えて持ち、足で蹴り上げましょう。

非力な人の空パレ積み上げテク ©️TAKAO

非力な人の空パレ積み上げテク
©️TAKAO

空パレ輸送の場合は、積み上がったパレットをきっちり揃える必要があります。
フォークでパレットの山を持ち上げたらマストをまっすぐに立て、頑丈な壁などにトントンぶつけて揃え、爪が入らない横方向は爪をめいいっぱい上げてマストでぶつかって行って揃えます。普段荷台に積んでいる道具や荷台の仕様にもよりますが、低床ウイングで概ね150~170枚くらい積めます。

バラ積みのテクニックについても、イレギュラーなパレットを使った積み降ろしのテクニックについても、また別記事を書きたいと思います。